もっともっと

自分の足元を見て云えという台詞は人類学者・宮本常一(1907〜1981)の「忘れられた日本人」の中にある。

昭和14年以来、全国をくまなく歩き民間伝承を克明に調査した。老人や女性達がどのような環境で生きてきたかを

古老自身の語りもあり生き生きと身直に感じる文体だ。

村の決め事をするには長老から若いものまで集まり決まるまで何日も話をする。

血気盛んな若いものは、主張する。その時に長老が言うのだ「自分の足元を見て云え」と。ちょっと自分も心してみる。

ほんの僅かな時代の経過で人間行動も随分と変わってしまう。

先日、電動丸鋸を落とし破損したので修理に出したが、部品がないので直りませんと返ってきた。

買って数年だったが、近年は商品サイクルも早くパーツ自体、長期にストックしない。

もったいないので鉄工所でパーツを作り復元した。

多くは直せれないのではなく直さない時代。

ナビに道案内してもらう方向感覚の、いつの間にかの喪失。

AIへの受け身は深く長く考える力の、いつの間にかの喪失。

電気がないとままならない時代。途絶えたときは知恵のない原始を味わう。

作戦という名のもとに殺戮は続くが宗教は何も言わない。

人はどこに行くのだろう。

垂れ下がる糸をつかめ 足元などみていられない もっと沢山 もっと早く もっと誰よりも と。