森の墓地をあとにしてセントマークス教会へ歩いて移動、途中地元の人たちが集まる小さなレストランで昼食を取り
90分程でたどり着いた。


要塞 歪む煉瓦 謙虚で限りなく無口

牧師さんが出てこられ教会の冊子を手渡してくれた
教会内を案内してくださりあとは自由にしてくださいと親切にして頂いた
冊子には教会の工事写真に設計者レヴィレンツの老齢の姿があった
前屈みになり煉瓦の積み方をとても気にするように写っていた


感情が深く潜るように作用する

レヴィレンツの設計事務所に在籍していた所員の回顧録があった
「自分の仕事が終わり帰る時にはレヴィレンツは何時も机に向かい背中を向けていた
朝出社すると何時もそのままの姿だった」

聖堂の椅子に座り内部を見回している時に広島にある世界平和記念聖堂を思い起こした
晩年の村野藤吾が白髪を靡かせ小さな庭石を水の中に消えていくように見せようと
石を触っていた 靡く白髪は枯れたススキのようで・・・と綴っていた記事も忘れられない
建築はデザインではなく祈りの積み重ねなのだ

セントマークス教会をあとにしてストックホルムにある宿に向かう
船舶を改造した船上ホテル

対岸にはエストベリのストックホルム市庁舎が見える

就寝中、何度となく厚い氷が船にあたり鈍い音が響くが、それもまた心地いい