coprinoという名前の建築が第16回JIA中国建築大賞2024   住宅部門 優秀賞に選出されました。

お施主、工事に関わって下さった方ありがとうございました。

初期に描いたドローイングは無くなってしまい、概ね構成が固まり始めたものがあったので

当時の試行錯誤を辿ってみました。

お施主の要望は暗くていいから籠るような感覚と使えるものは排除して、

使うものだけを身の周りに置きたいという2点でした。

北にはローカル電車の線路が平行して走り、その向こうには田園が広がる。

南には小高い山が連なり陽が落ちると猪が歩いているのを見かけるような長閑な地域。

元々は畑であった場所に若いふたりが結婚を機に新築を考えた。

長閑な地域性と「籠る」を紐解き、大きな傘のキノコの下に棲むコロボックルから展開した。

coprinoはコプリヌスというキノコの造語。

建築平面では構成を十文字にして中央にダイニングテーブル据え4方にアクセスすることで廊下が不要になる

北から時計回りにキッチン、サニタリー、リビング、寝室。

中2階にトイレと収納。小屋裏に個室を配置した。

外部の四隅が穿ったことで北東から時計回りに設備配置、エントランス、ガレージ、テラスという配置になった

エントランスは内部に入れてみようと試みたが、半屋外に出すことにした。外気の水分の問題も一年を通して問題なかった。

その全ての上に大きな傘を覆い被せた。

軒先が地面から7尺(2100ミリ)昔の民家を感じるフォルムにした。

まだ何もない土地に立ち空気を感じて事務所に帰り、論理とは程遠く、ふにゃふにゃと何日も落書きしながら

手を動くように動かして種が生まれてくる。この時が一番楽しいと思える。