自宅の靴箱を整理していたら20年前に娘が履いていた靴が出てきた。

ちょうど建築業界に入った頃で年齢的にはかなり遅い入門で工務店の代表からは

今からでは、ものにならないのでやめた方がいいと断られたが是が非でもと受け入れていただいた。

恥ずかしくも毎日必死で思い出してはひとり赤面する。

たくさんの方に迷惑をかけてたくさんの方に助けていただいた。

独立してからはLIVING NINEとして11年。建主の方々、関係者の方々に育てていただいた。

建築設計の方向性を再考していたところ対外的ではなく自身への誓約として慣れ親しんだ

社名を変えた。新しい名前は自身で考案したものではなく2年前に竣工した建築主がつけてくれた。

クリエイティブ・ディレクターとして長年にわたって仕事をされてきた建主がその建築の中で暮らした

実感として『手触り』という言葉を浮かび上がらせた。単に触覚だけの範疇ではなく

自身が作り手として大切にしていることが内包されているので即決した。

家ではなく建築。探求していきたいと思います。