ある人と初対面の時に、相手方の話す方法や話す内容、身嗜みなど表面的なものが頭に入ってくる。
それは相手がどう見られたいかなど技術的なことも少なからずある。
でも中には、表面的なものと一致せず、その人の柔らかさとか厚みに感心したりすることがある。
日頃何を想って暮らしているとか、人知れず背負っているものがあるとか、
そうしたわからない「何か」発酵したものが匂い立つ。
唐突に人間を建築に置き換えてみる。
骨や皮膚、臓器やリンパ液などの機能は木組みや壁や設備、生活動線かもしれない。
機能としては存在しているが、応答として愛着は薄い。
建築に、わからない「何か」が匂い立てば住む人と相互に厚みを増していくと思う。
その、わからない「何か」を探究したい。
自分とは親子ほど離れた年齢差がある。
休憩になり何か飲む?と尋ねると「水があるので大丈夫です」とモンシロ蝶のような呟き。
育った家庭環境はさておき、時代環境の作用は身体に染みつき
価値観や行動様式の違いは当たり前。 生きる時代が入れ替われば あなたは私 私はあなたなのだ。
ただ、良いものを作ろうとする意思は変わらず、いつも助けてもらっている。