不連続の連続
利休の黒茶碗を作った楽家の初代長次郎から15代吉左衛門、次期16代篤人まで
それぞれの世代の茶器が展示された『茶碗の中の宇宙』へ。
初代長次郎(16世紀)が利休から依頼された華美を削ぎ落とした黒く無釉で粗野な形。
三代 道入(17世紀)が本阿弥光悦に教えを受けて作風を練ったり、逆に道入に
習い作った赤楽茶碗 『乙御前』は肉厚薄く椿の花が風に靡くような形。
15代 吉左衛門(現在)焼貫黒楽茶碗は破れる寸前まで焼き貫き強烈。
吉左衛門の茶碗にはサブタイトルがつけられていて
•『厳上に濡洸ありⅢ』厳裂は苔の露地 老いの根を噛み とか
•夜起対月(よるおきてつきにたいする) とか
作風も器から飛び抜け精神世界が現れています。
器という括りだけの自由表現が『不連続の連続』といわれる所以です。
15世代も続く葛藤にしびれる。