イタリアの建築家カルロ・スカルパ(1906〜78)
その仕事をいつか現地で体感したいと長い間焦がれながら、いきおい行ってきた。
ベネチア空港に降り立ち、ヴェローナにあるカステルヴェッキオへ
14世紀に造られた城を美術館に改修したもので、スカルパが着手する以前に2度改修されているが
成果のない内容だったらしく1958年、6年の歳月をかけ現存の形、観覧経路になった。
跳ね上橋から城内中庭へ。
西塔と東塔の間にある騎馬像
午前中は一度退館して夕方に再入館。
大理石と鉄とコンクリートと光。
素材の使い方。視覚効果。試行をかさねた仕事に心酔。
ブリオン・ヴェガ墓地 サン・ヴィート
ラジオの修理工から一代で電機メーカーブリオン・ヴェガ社を築いたジュゼッペ・ブリオンの死を弔い
婦人が1969年にスカルパに依頼。
最寄りの駅をうっかり降り忘れ時間配分もあり結局タクシーで移動。
バスや徒歩で行くはずのたどり着いた感も味わえず。
すべてが精緻で宇宙的。
未熟な自分はひとまわりしただけでお腹いっぱい。
クエリーニ・スタンパリア財団美術館
財団の会長がスカルパに1Fと庭の改修依頼。
門の向こうの水路にゴンドラがすり抜ける。
オリベッティーの店(1958)
タイプライターでイタリアを代表する企業だったオリベッティーがスカルパに依頼したショウルーム。
1997年に同社の凋落とともに手放され土産物店として使われていたが
2011年に環境遺産として修復。昔のタイプライターもそのままに。
2回訪れたが、時間が合わず閉店状態、ガラスに張り付いて中を覗き込むばかり。
スカルパオンリーで濃い旅でした。スカルパ自身、日本建築好きで何度も来日。
最後は仙台で客死。
体に染み込んだものが少しでも仕事に染み出ればと思うのでした。