虚をつくる


扇状地の開けた場所に先日、棟を上げた。後の屋根仕舞に2日間だけ、久しぶりに参加して見たものの
日射とサウナような湿度、7寸勾配の傾斜で力尽きた。大工を見て思う、毎日の積み重ねが大切なのだ。
引き続き気負って不完全な空虚を目指し作りあげたい。
話は変わるが、今日は大相撲名古屋場所千秋楽 新入幕で髷も結えない伯桜鵬の優勝決定戦
優勝ならば109年ぶりの快挙だったが豊昇龍の上手投げが素早くきれいに決まった。
土俵に上がる前の座する両者、豊昇龍は瞼を閉じ深い呼吸で上半身は動かない。
伯桜鵬は呼吸早く目線が動く。
番付という積み重ねに納得のいく勝ち負けだった。
神事でもある国技。相撲哲学を感じさせる所作、塩を巻くときの毘沙門天のような顔、負けた時の潔いお辞儀
精神は顔つきに現れる。

年の名残

新寺務所の家移りも終わり、解体をした本堂に年明けから耐震改修工事に入る
耐震に悪影響を与えるコンクリート壁を取り除き本来あるべき位置に壁を作る
『あかるい寺院』を目指して。

寺院からほどなく近い住宅計画地へと移動
眼下には京橋から犬島へと就航する小型船が停泊する


川蟹を網で掬い上げていた 手のひらほどの蟹が湧くほど次々と取れ 岸に放り投げる
しばらく蟹は呆然とし、ハッと我に返ると全力で横走りし川に飛び込む 
呆然としていたものたちは、相方に捉えられ酒のあてとなる

うとうと 1

寄っては離れ 離れては呼び寄せる


澄んだ水流のほとり うとうとする家。今日は土台敷き。
設計前、建主に建築への想いを文章に書いていただいた
331文字の中にはパートナーへの愛情が溢れている 
人生は長くも短い、建築は記憶の器。

aun 1

 40坪の中古物件平家リノベーション。建て直しの新築も検討したが資材高騰のため再生することにした。
4坪ほど減築して、土壁を落とし、瓦を降ろし、構造を入れ替えた。
夏の強い日差しと影のコントラストに見入ってしまう。

解体の途中、残す柱、梁。 取り去られる柱、梁 お疲れ様です。

エントランスの一部を半屋外とする。

現場で作ったコンクリート塊を力を振り絞り、ふたりで積み上げる。
これを後に水で砕く。

現代でいう綺麗なものではないが粗野で未完なものたちに愛情をかけて
積み上げたときの調和はうつくしい。

寺務所2

とりあえず寺務所が竣工。これから本堂の工事へと入り寺務所と接続する。